10時から20時まで開ける予定だったお店が、停電で30分だけ閉まった。予定どおり営業できた時間の割合は、少しだけ下がります。稼働率は、これをサービスやサーバーについて記録した数字です。
稼働率は、サービスが使える状態だった時間が、全体のうちどれくらいあったかを表す割合です。止まっていた時間が短いほど高くなります。VPSやホスティングを比べるとき、障害が多かったかを振り返るとき、冗長化や保守の優先順位を決めるときに、判断材料としてよく使われます。止まりにくい仕組みをどう作るかは、可用性の記事で扱っています。
99.9%は、何時間止まれる?
稼働率99.9%なら、ほぼ止まらないってことだよね。
年に直すと、8時間以上止まってもいい計算なんだよ。
稼働率は、よく「9がいくつ並ぶか」で語られます。年間に直すと、止まってよい時間の目安は次のとおりです。
| 表現 | 年間で止まってよい時間の目安 |
|---|---|
| 99%(ツーナイン) | 約87時間 |
| 99.9%(スリーナイン) | 約8.7時間 |
| 99.99%(フォーナイン) | 約52分 |
| 99.999%(ファイブナイン) | 約5.2分 |
9が1つ増えるごとに、許される停止時間は10分の1になります。契約で保証される値(SLA)を読むときも、この換算を頭に入れておくと実感がつかめます。
同じサービスでも数え方で数字が変わる
稼働率は、測り方を決めてはじめて意味を持つ数字です。
何を測るのか。サイト全体なのか、ログイン機能だけなのか。トップページは開いていても、ログインだけできなかった時間を「止まっていた」と数えるかどうかで、数字は大きく変わります。
何をもって「止まった」とするのか。監視ツールの記録、担当者の手動報告、問い合わせの件数。どれで数えるかによって、止まった時間にズレが出ます。契約上の稼働率では、計画メンテナンスの時間を含めるのか、どの範囲を計測の対象にするのかも数字に影響します。
割合が同じでも、痛みは同じではない
月に30分止まったとして、それが深夜の30分なのか、月末の締め処理の真っ最中なのかで、業務への影響はまるで違います。割合は、止まった時間の長さしか教えてくれません。
数字だけで安心せず、「いつ」「どこが」止まったかを合わせて記録しておくと、次にどこへ手を打つべきかが見えてきます。高い稼働率を目指すほど、冗長化や監視のコストも上がります。数字を上げること自体を目的にせず、止まると困る時間と機能を守れているかで判断してください。