メールの行き先を指定するMXレコード

MXレコードは、ドメイン宛てのメールをどのメールサーバーで受け取るかを指定するDNSレコードです。

Google Workspace や Microsoft 365 にメールを切り替えるとき、移行ガイドには必ず「MXレコードを変更する」という手順が出てきます。

MXレコードは「@example.com 宛てのメールは、このメールサーバーへ届けてほしい」と指定する DNS のレコードです。Webサイトの行き先を決める Aレコード とは別の行で、メールの届け先だけを管理します。だから Webサイトとメールを別々のサーバー、別々のサービスで運用できます。

郵便の仕分け表と同じ流れで届く

郵便の配達業者が、宛先の会社名を見て「この会社の荷物はB配達センター行き」と振り分ける仕分け表。MXレコードはその1行にあたります。

  1. 送信側のメールサーバーが @example.com 宛てのメールを送ろうとする
  2. example.com のMXレコードを調べ、「mail.example.com へ届けてください」という指示を受け取る
  3. その指示に従って、正しいメールサーバーへメールを届ける

仕分け表には「優先度」も書けます。数値が小さいほど優先して使われるので、MXレコードを複数並べておけば、1台目が受け取れないときに2台目へ回す冗長構成を組めます。

向き先は住所ではなく名前で書く

MXレコードの向き先には、IPアドレスを直接書けません。書くのは mail.example.com のようなホスト名です。そして、そのホスト名は別途Aレコードで解決できる状態にしておく必要があります。CNAMEで作った別名を向き先にすることもできません。

似た場面で出てくる TXTレコード とは役割が逆向きです。MXは「受け取る先」、TXTに書くSPFやDKIMは「送る側が正当か」を示します。メールサービスを移すときは、この2つを一緒に設定することがほとんどです。

切り替えの反映には時間がかかります。その間に届いたメールが旧サーバーに落ちても拾えるよう、旧環境をすぐに解約しないスケジュールで組んでください。