サーバー移転でAレコードを触る理由
AレコードはDNSの設定の中で「このドメイン名はこのIPアドレスのサーバーにある」と一対一で書き込む行です。DNS 設定の中で最もよく使われる基本レコードで、サイトを新しいサーバーへ引っ越すときに書き換えるのは、たいていこの行です。
住所録に「田中商店 → 〇〇市〇〇町1番地」と書いてある、あの1行を思い浮かべてください。店が引っ越したら、住所録のその1行を書き直さない限り、訪ねてくる人は空き家へ向かいます。Aレコードも同じで、IPアドレスを直接書いているぶん、サーバーのIPが変われば必ず更新が要ります。忘れると、古いサーバーや、もう存在しないサーバーに向いたままになります。
ブラウザは example.com を開くとき、DNS に「このドメインのAレコードは?」と問い合わせ、返ってきたIPアドレスへアクセスしています。
作業の前に、次の4つを控えておきます。
- どのドメインやサブドメインを変更するか
- 現在のAレコードが向いているIPアドレス
- サイト用の設定か、メール用の設定か
- TTLの値と、変更後に確認する時間帯
書き換えた直後は古いサーバーも見えている
設定を保存しても、反映には数分〜数時間かかる場合があります。どれくらいかかるかは TTL の値で変わります。その間は新旧どちらのサーバーにもアクセスが来るので、旧サーバーはすぐに止めないほうが安全です。
管理画面でよく見る @ は、ドメイン自体(example.com)を指すホスト名として使われることが多い記号です。同じドメインにAレコードを複数書くこともでき、アクセスを複数のサーバーへ振り分ける(ラウンドロビン)使い方もあります。
隣に並ぶ AAAA、CNAME、MX
DNS の管理画面では、Aレコードの隣にいくつか似た行が並びます。IPv6アドレスを書くなら AAAAレコード、IPアドレスではなく別のドメイン名へ向けるなら CNAMEレコード、メールの受け取り先なら MXレコード です。サーバー移転で「Aレコードだけ変えればいい」と言われたら、メールが同じサーバーに同居していないかだけは確認しておきましょう。