「来週、DNSを切り替えます」と制作会社から連絡が来たら、それはサイトの行き先を書き換える作業の予告です。場合によってはメールの行き先も一緒に変わります。
DNS は、tatoedia.com のような ドメイン 名を、実際のサーバーの場所(IPアドレス)へ結びつける仕組みです。お店の名前を伝えると住所録を調べて「○丁目○番地ですよ」と教えてくれる受付係のように、ブラウザがドメイン名を尋ねると、DNS サーバーが「そのサイトはこの番号のサーバーにあります」と答えます。番号を覚えなくてもサイトへ行けるのは、この受付係がいるからです。
ドメインを買っただけではどこにもつながらない
ドメインは名前、つまり看板です。看板を掲げても、住所録に「この名前はこのサーバーへ」と書き込まなければ、誰も店にたどり着けません。新しくサイトを公開するときも、レンタルサーバー や VPS へ引っ越すときも、最後に必要になるのがこの書き込みです。
一つのドメインに行き先は何本もある
住所録の行は用途ごとに分かれています。サーバー移転で「DNSを変える」と言っても、どの行を書き換えるのかで影響先が違います。
- Webサイトの行き先は Aレコード、IPv6なら AAAAレコード、別名で向けるなら CNAMEレコード
- メールの受け取り先は MXレコード
- メール認証やサービスの所有確認は TXTレコード
- そもそも住所録をどこで管理するかは NSレコード
サイトだけ移すつもりで NS を切り替えると、住所録ごと別の場所へ移ります。移転先に MX や TXT を書き写していなければ、メールまで止まります。「サイトの引っ越し」と「メールの引っ越し」は、DNS の上では別の作業として確認してください。
切り替えは「予約」くらいの気持ちで
DNS の変更は、保存した瞬間に全員へ届くわけではありません。各地に残った古い案内が入れ替わるまで、数分から数時間かかることがあります(「浸透」と呼ばれます)。その間は、古いサーバーを見る人と新しいサーバーを見る人が混在します。
作業前には、今の設定を画面ごと控えておきます。書き間違えたときに戻せるのは、元の値を知っている人だけです。https:// で公開しているなら、向けた先のサーバーでも SSL が正しく設定されているかを合わせて確認します。移転の日程は、この待ち時間を見込んで余裕を持たせます。